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執筆者の写真岸田直樹

【薬剤師のための臨床推論(薬学臨床推論) 副作用編】 いま改めて副作用を考える(前編) -意外と知らない? 副作用の捉え方と添付文書の限界-


 薬剤師が臨床で活躍するようになり、より薬剤師としての患者情報の収集と実際のアクション(←コレとても大事です。情報提供だけは無しね^_^)が求められています。その一つとして臨床推論のスキルがあり、薬剤師にとって必要な臨床推論として以下の5つの側面を提示し、日本病院薬剤師会の学会誌でもご紹介させていただきました。また、2015年、2016年と2年間に渡り、日本薬剤師会主催の病院診療所薬剤師研修会(真の薬剤師の職能と専門性を身につける)の全国での講師を担当させていただき、ここを話させていただきました。

 さて、薬学臨床推論として以下の5つの側面はどれも重要なのですが、その中でもこれぞ薬剤師!というのはやはり③の”副作用かどうか”のところと思います。ところが、この”副作用”、とっても難しいところと思います…。医師の世界でも、原則除外診断とされますので、それが真に副作用か?は薬剤師だからわかるとか、医師だからわかるとかそういうものではないことが多いと思います。ではどうするか?ですが、大切なことは、副作用らしいか?らしくないか?を医師・薬剤師がお互いに共通言語でディスカッションして判断していくことだと思います。特に、グレーゾーンでは(←これが臨床では多いですが)、「副作用かどうか100%クリアカットにしたい」という考えではなく、「副作用として薬を中止する閾値にあるかどうか?」という側面で考え、医師・薬剤師でディスカッションすると見えてくると思います(これは座談会後編でご紹介します)。風邪症状でウイルスか細菌かを100%区別することは不可能ですが、上気道感染症では細菌感染症でも多くは自然に良くなるため「治療が必要なほどの細菌感染症か?」と考えると良いという思考に似ているかなと思います。これが臨床であり、これこそが臨床での判断です。

 さて、この副作用に関わる臨床推論に関して、次の大きなステップに来ています。ここを真面目に考えた臨床の教育コンテンツがいま月刊薬事で連載されています(ここをクリック)。是非ごらんください。また、この副作用に関わる臨床推論の座談会がじほうさんから公開のご許可をいただきました(ここをクリック)のでご紹介します。前編ですが、是非ごらんくださいm(_ _)m

「副作用の可能性は否定できません…」

なんてまさかみなさん、言ってませんよね…。そんなことを言わない薬剤師になりましょう!(研修医もね・・・)。「〇〇の可能性は否定できない」は思考の停止です。結局どうしろと?(岩田先生もよくおっしゃってます)。なんて、厳しいことはいいません。一緒に共通言語で考えましょう!

以下、座談会のメンバーです。自分も歳をとったなと、この写真を見て感じました^^;…


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