岸田直樹

2017年3月15日4 分

感染症の総合誌 J-IDEO ご紹介! -すべての感染症屋さん必見!-

 感染症に関する情報を定期的に発信する総合誌ができたのでご紹介です。感染症の定期雑誌はこれまでもいくつかあったのですが、いまいち自分にあうところとがないと思われた方が多かったと思います。それもそのはず、感染症といっても広いですので、自分のやっていることにあう定期刊行雑誌なんてなかなかなかったと思います。あったとしても読者(対象)が少なすぎてどうも面白みも作りにくい…。そんなとても幅広い領域をもっているのが感染症なのです。臨床感染症から感染対策、医師だけではなく、看護師・薬剤師・検査技師などなど感染症は分野だけではなく職種も幅広いのです。幅広いのに新しい情報が最も大切な分野のひとつが感染症。。。そのような対象でどのように定期的に情報発信したらよいか? あっ、感染症の少年ジャンプみたいなものでは?と発案されたのが岩田先生で本誌になります。ということで、本誌は30もの連載からなっております。分野も臨床感染症から感染対策まで、職種も様々な方が書いています。読みたいものだけ読んでください。今は興味がないと思っていても、何かの機会に読みたいと思う時がくるものもあります。ジャンプもそんな感じですよね。まだ創刊号ですが、今後さらに時代にあったものとして新しい連載が生まれ(ニーズのなさそうなのはなくなり…(/ω\))と進化していくつくりとなっています。

 自分も編集委員をさせていただいていますので、ご意見・ご希望など岸田にご連絡していただいてもOKです。個人的には感染チーム(ICT、ASTなど)の定期購読誌としていただくのがいいのかなと思います。ぜひ、みなさんの感染症情報の発信の場にもなりえますので企画あったらご連絡ください!

以下に岸田の「創刊のことば」をご紹介いたします。ちなみに『「感染症医は臨床感染症が専門であってICDなんて自分の仕事ではない」なんて若者?も増えちゃってますが』ということばは、岸田の感染症の指導医の一人である、前沖縄県立中部病院感染症科部長の遠藤和郎先生、現在、北野病院に移られた感染症レジデントマニュアルの著書である藤本卓司先生の両先生がおっしゃっていたお言葉なんです(藤本先生が講演で嘆かれているのを拝聴しました)。明確な役割分担も大切ですし、みなが総力戦で頑張る、どちらも大切だと感じます。どこかの国の真似事でもなく、その場所・時代で変化してみながいつなんどきも興味を持ち続けられる、それが最も大切な分野が感染症だと思ってやっています。そしてこのような興味をもっていただけるような持続的な情報発信が、耐性菌を減らすことにつながる重要な活動のひとつになるとも感じます。

創刊のことば 

感染症コンサルタント 岸田直樹

 感染症っておもしろい。ただ、そのおもしろいがみんな同じではなさそうです。専門家としての立ち位置がある自分だって、「毎日3例は発熱性好中球減少症の患者さんをみたいな」とか、「アフリカ帰りの人を今日は5人もみたぜ!」とか、「HIVを100人外来で診ている」、なんてちょっと“自分は”積極的には希望しないのです。それぞれそれなりには診たいですが…。「風邪を毎週100人診ているぜ!」、「尿路感染症と思っていたら今日も違ったわ…、」、「誤嚥性肺臓炎として抗菌薬freeで行こう」って方が“自分は”いいんですが、岸田みたいなひとの方がむしろ多くはありません。。。また、感染対策の専門家はICNですが、自分は感染症コンサルタントとなり、より一層ICDとしての仕事が増えました。「感染症医は臨床感染症が専門であってICDなんて自分の仕事ではない」なんて若者?も増えちゃってますが、自分は感染対策の魅力に取りつかれ始めております。故遠藤和郎先生(沖縄県立中部病院 感染症内科部長)のもとで勉強した日々を思い出します。「手を洗わない医療者は、足を洗え!」って幻聴のように毎日聞こえます。

 いろいろな人がいろいろいうかもしれませんが、いろいろなひとが感染症にいろいろ興味をもってくれていることがこの領域ではおそらく一番大切なことだと日々感じます。そして、この雑誌が医療においてこれまでに無い形でそれを実現してくれていると思います。正直自分は少年ジャンプでは「こち亀」も「ジョジョ」も最初はあんまり好きではなかったのでちゃんと読んでいなくチラ見程度でした。最初はその程度の連載もあれば読まずにはいられないものもある。そんな本誌をご堪能ください。

写真は何年前でしょうかね… 10年たったかな。。。 

写真むかって一番左端が故遠藤和郎先生、右端が喜舎場朝和先生 です。

いまよりかなりふくよかな自分がいますね…

沖縄県立中部病院の感染症科で研修させていただいたときの写真です。

「感染症はクレッシェンドかデクレッシェンドで(青木先生の名言)ほぼ短期決戦だから、感染症医はみな短気なんだ」と遠藤先生がおっしゃってました。。。 自分もそうなんだと思いますのでご注意ください(*^-^*)

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