岸田直樹

2016年11月17日3 分

非医療者への風邪に関する教育啓蒙

 今週は世界的に『抗菌薬啓発週間』ですね。抗菌薬に関する知識は医療者だけではなく非医療者も持たないといけない時代になりました。そこで、当法人での非医療者への風邪に関する教育啓蒙活動についてご紹介させていただければと思います。
 

 

 
 風邪に対して医師はつい抗菌薬をだしてしまうのですが、それは日本に限った話ではありません。そしてその原因として、医師が”悪い” とか、 欲しがる患者さんが”悪い” とか、そういう図式にされがちですが本当にそうなのでしょうか?風邪に対する抗菌薬処方が後をたたない根本的な理由の一つとして


 
”風邪かどうかは本当のところは医療機関でも100%わからない…”

 という問題があります。わからないのであれば、双方ともに不安になるのは無理もありません。
 

 
 このような”風邪診療とその周辺”の実際を ”非医療者向け” にできるだけわかりやすく丁寧に解説できればと思い当施設の教育活動の一つとして、解説を試みております。
 

 
(非医療者向けの情報発信として東洋経済とのコラボレーションとしています)

もしよければ御覧くださいm(_ _)m

(写真もしくは①、②のところをクリックしてください。リンクさせています。)
 

 
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①医者の「風邪の診断」はけっこう曖昧だった!
 
 それでも病院に行く必要はありますか?
 
 それでも病院に行く必要はありますか?
 

 
 →風邪診療とその周辺、の実際をできるだけ噛み砕いて解説しています
 

 
②医師が教える!病院に行くか否かの「分岐点」
 
「即、病院」が最善とは限りません
 
「即、病院」が最善とは限りません
 

 
 →風邪をセルフケアとして判断するにはどうしたらよいか?を解説しています
 

 
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 なんでも医療機関という流れではなく、特に風邪はセルフケア疾患として非医療者も十分な知識を持ち自分で判断できるようになることが大切であること、判断に困る場合には、医師だけではなく、相談相手として薬局などの薬剤師も選択肢となること、それにより自宅療養としていただくことは直接的ではありませんが、抗菌薬適正使用につながると考え活動しています。
 

 

 
 そして、このような医療者-非医療者の風邪に関する相互理解を通じて「風邪として経過をみる方針で良いか、どういうときに再度受診したらよいかを ”言葉を選んで説明” し、医療の限界を共有しつつ良好な医療者ー患者関係を築けるようになれること」こそが、風邪診療では最も大切なことと思い日々自分も一般内科外来で風邪の患者さんを診察しています。
 

 
これはchoosing wiselyのひとつでもありますが、

   検査や治療(抗菌薬)を賢く選ぶ前に ”言葉を選ぶ” ことの大切さ

を感じます。
 

 

 
 短い診察時間の限界もありますが、この部分の説明をすることで、自分の内科外来(地域の病院)では、”風邪に抗菌薬” どころか7,8人に1人くらいは 「じゃぁ薬もなしでみてみます」 となってくれます。(そのくらい軽いかぜ患者さんがまだまだ地域の病院にはたくさん受診しているということかもしれません…)自分の説明ベタで患者さんに不快な思いをさせたことも何度もありましたが・・・(反面教師の毎日です…)、だんだん短い診察時間でもうまく説明できるようになってきました。
 

 

 
このような風邪診療に関連した医療の限界を踏まえた非医療者への情報提供、薬剤師教育は
 

 
耐性菌を減らす方法の一つと考え、当法人は活動しています。

知人の感染症医がみつけて写真をとってくれたものです。これで何ができるかは丁寧に考えないといけないですが、自分のお金で買って自己責任と考えれば、選択肢の一つなのかもしれません。これを食べてもマスクのかわりにはなりませんし、手洗いをしなくても良いとはならないので、そこだけはご注意ください。 自分も食べてみましたが、とっても美味しかったです。味はGood!

ひとまず、人形のあごマスクはやめましょう^^;

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